生涯の愛聴盤③ヨーロッパジャズ篇

 June Tabor, Iain Ballamy & Huw Warren 『Quercus』(2013)

今日は疲れたなぁ、と電車に揺られる帰り道によく聴くアルバム。June Taborは民謡を中心にジャズの分野でも活躍する実力あふれる歌手。サックス奏者Iain Ballamyはトロンヘイムを拠点に活動するエクスペリメンタルジャズユニットのFoodや、Django Batesとの活動でも著名なイングランド出身。Huw Warrenはウェールズ出身で、Juneとはアレンジャーとして長く活動を共にしてきた。心に染み入るような優しくて静かなアルバム、邪な音がなく、ただ純真な美しさだけが結晶のようになったECMらしい1枚。Quercusはユニット名になって2017年にもアルバムNightfallを発表している。

Leszek Możdżer, Iiro Rantala & Michael Wollny『Jazz at Berlin Philharmonic I』(2013)

Jazz at Berlin PhilharmonicはドイツのレーベルACTが出しているライブレコーディングのシリーズで、毎回同レーベルの豪華な出演者を招いたライブが展開されている。第1回がヨーロッパを代表するジャズピアニスト3人が揃ったこの回。それぞれに異なった音楽性をもった3人が化学反応を起こすように掛け合う様には幾度聴いても興奮を覚えてしまう。終盤にはコメダのSventetic、Lars DanielssonのSuffering、Chick CoreaのArmando's Rumba等、彼らのテクニックが十二分に発揮される曲が並んでいる。

Leszek Możdżerはポーランド出身で、ショパンやコメダの系譜を受け継ぐ技巧派でポーランドらしいメランコリックなソロを得意とする。Iiro Rantalaはフィンランド出身。1988年にTrio Töykeätを結成し、1990年にデビュー、2008年に解散したあとはソロで活躍。荒々しいスタイルでプレイしていたが、最近は叙情的でミニマルな音楽もプレイするようになった。Michael Wollnyはドイツ出身、ACTの社長がe.s.t.以来の衝撃と絶賛した鬼才。

このシリーズは現在に至るまで10作が発表されており、Esbjorn Svenssonのトリビュート、ケルト音楽、アコーディオンナイト等特徴あふれるアルバムがいくつも出ている。この3人は7作目でもふたたび共演しており、熱気溢れる演奏がさらに深化して楽しめる。

Stéphane Grappelli & Toots Thielemans 『Bringing it Together』(1995)

Bringing It Together by Stéphane Grappelli & Toots Thielemans (Album,  Jazz): Reviews, Ratings, Credits, Song list - Rate Your Music

喫茶店で掛かっていて一瞬で恋に落ちたアルバム。重鎮2人を交えたスタジオセッションは1984年に録音されたものらしいが、長らくお蔵入り状態だったらしく、1995年にようやくレコード発売されたという。参加したミュージシャンはGrappelliと長らく活動をともにしたふたりのギタリストMartin TaylorとMarc Fosset、そしてベーシストのBrian Torff。冒頭のBye Bye Blackbirdから軽快なスウィング感で楽しませてくれる。なにより豊かで優しい音色のヴァイオリンと軽妙なハーモニカの絡む音色が恍惚を誘う1枚。テンポのいいソロの掛け合いが気持ち胃Fifty Ways to Leave Your Loveもあれば、しっとりと聴かせるGeorgia on My Mindも。


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