Michael Sunding『The Melodies of Nordic Christmas』(2017, Gateway Music)


この時期なのでクリスマスのアルバムを、今のうちに紹介しておきましょう。 

Michael Sundingはデンマークのピアニスト/オルガニスト/キーボーディスト。2014年の『SOLO, LIVE AT COPENHAGEN JAZZFESTIVAL』でデビュー、スタジオアルバムは2015年『The Melodies of Carl Nielsen』をリリースしている。ベースでMads Vindingが参加している。

本作は題名の通り北欧のクリスマスをテーマにしたアルバムで、伝統曲や賛美歌が多い。北欧の伝統曲は19世紀頃のものは作曲者の名前も残っていて、アレンジを加えられて歌い継がれているものも結構多いし、本来の作曲者が不明だけどアレンジした作曲家が作曲者として伝えられているものも、結構多い。

こういう伝統曲をジャズのアーティストが演奏するとき、やはり美しい旋律をじっくり聴かせるように、非常に抑制的に、ソロやアドリブを入れない演奏が多いのだが、本作はそうではない。メロディはもちろんちゃんと演奏して、そのあとにピアノソロ、そしてテーマに戻るという正統派のジャズの演奏だ。したがって結構有名な曲でも「クリスマスらしい」じっくりと旋律を味わうというよりは、彼らの演奏を楽しませてくれる作品になっている。

とはいえ、アドリブも伝統曲の雰囲気を尊重しているようで、あまりその枠からはみ出そうとはしていない。ベートーベンのピアノソナタのような演奏で、意外性のあるコードや旋法などもあまり使っていない。そのぶん安定感があって安心して聴くことができる。ベースソロもたっぷり取り入れてほしかったところであるが。

終盤のGodnatはSundingのオリジナル曲で、ピアノソロ。北欧の賛美歌にならった静かな曲。最後のRundt Om Træet, Rundt I Ring は歌の入った、よくありそうなクリスマスソングだがオリジナル曲。すこし楽しくなって、アルバムが終わるけれど、通して聴くとどこかちぐはぐになってしまう。




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