前回も取り上げたノルウェーのサックス奏者Tore Brunborgと、同じくノルウェーのベーシスト Steinar Raknesによるアルバム。Folk Songsというタイトルではあるものの、ほとんどがオリジナル曲である。
ジャズではあるものの、Steinarはあまりジャズらしいベースを弾く訳ではなくてアルペジオを基調にしたやさしい伴奏でサックスを支える。Folk Songsという題が適切なのかはよく分からないが、3曲目のFerdiなどは北欧民謡のようなメロディーだし、8曲目Vossasongenは19世紀に書かれた曲で10曲目Syng I Stille Morgenstunderは伝統曲である。
4曲目Stevなどはサックスの息づかいが繊細に響くバラードのように聞こえるのだが、どこかアメリカ民謡のような懐かしさがある。一方で北欧の険しい自然と大地を思わせるような風景が、どの曲にも染み入っているようにも思える。
基本的にどの曲も尖った主張があるわけではない。ベースは地道にしっかりと支え、サックスはメロディアスに歌う。アルバム全体がしっとりとした仕上がりだし、演奏は優しい。それもまたfolk songらしさということだろうか。
多くを語らないことが、実はたくさんの知識や経験に裏付けされている、ということは往々にしてある。このアルバムも朴訥に見えて、その影には2人の長い経験が演奏を支えているようだ。シンプルさが頼もしい1枚だった。

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