Uppsala Vokalensembleはその名の通り、スウェーデンのウプサラを拠点とする合唱団。Sofia Ågren が指揮者として、 Josefina Paulsonがニッケルハルパで参加している。
多くが伝統曲で、後半にMatthew Petersonの曲が入っている。基本的に合唱とニッケルハルパを合わせた演奏だが、ニッケルハルパソロの曲も合唱だけの曲もある。
擦弦楽器と合唱だけ、しかも楽器は中高音で、そこまで音域が広いものではないので(低音のニッケルハルパもあるのですが)どんなものかと思ったのですが、むしろ低音域は男声がしっかり支え、ニッケルハルパはしっかり歌ってくれた印象だった。基本的にはソプラノとニッケルハルパが旋律をなぞり、その他の音域が伴奏やハモりの役割となることが多いのだが、適切なタイミングでソロになったり合唱の聴かせどころが入るので展開も退屈しない。
(多くの民族音楽のように)踊るための音楽として発展してきた伝統曲もあれば、先日とりあげたようにキャロルとして歌い継がれてきた曲もあるのだが、序盤はどちらかといえば後者が続く。合唱はそこまで大きな編成ではなく、おそらく各パート数人なのだが、主張の強くない控えめさが際立って調和している。
雰囲気が変わるのは7曲目Gjendines bådnlåt、低音のしっかりしたアルペジオがニッケルハルパの踊るような、すこし憂いのある旋律を支える。これはノルウェーに伝わる子守唄なのだが、合唱曲としてよく歌われる。少し舞踏曲に似た旋律を生かした編曲。その次のFörsta polskanはニッケルハルパのソロ。polskanは3拍子のスウェーデンの伝統の舞踏曲で、この曲はとても伝統曲らしい録音だった。
印象的だったのは9曲目Trilo。アルトの力強いソロが非常に印象的だが、これは船に乗り海に出た夫を待つ妻の曲。スウェーデンやノルウェーでは夫が海から戻ってくる時によく歌われるものだという。現在では多くのフォークミュージシャンやクワイアに歌われている。
11曲目から現代の作曲家Matthew Peterson作曲の合唱曲が続く。これはわたしの守備範囲外であるのでご容赦願いたいが、おそらくものすごく難しい、音域が飛躍するような曲や繊細な低音と高音のバランスで緊迫感を演出する曲など、合唱力の高さに驚く。余裕があればこのジャンルも勉強しておきます。
伝統曲に戻るのは17曲目I denna ljuva sommartid。スウェーデンの賛美歌だが、最初はぼんやりと音がかさなってゆき、徐々に音の輪郭が明らかになる。北欧の賛美歌の美しい旋律が活きた素晴らしい演奏と合唱。
18曲目UvenはJosefina Paulsonのオリジナル曲。ニッケルハルパの舞踏のようなメロディに賛美歌のような合唱が重なる。ふたつの相異なる音楽が絶妙に調和しており、無二のハーモニーだった。合唱とニッケルハルパを無理に合わせたような曲じゃなくて、自然と一致した、でもお互いの領域をわきまえている、そんな曲。最後のEklundapolskanも印象としてはそれに近いが、合唱がほぼハミングだったので最後の締めくくりには丁度よいのだが、できれば前曲のようなハーモニーをもう少し聴いておきたかったなぁ、という印象だった。

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